体と心、すこだけ前進
退職して日を追うごとに感覚が普通に戻っていきます。
どれだけの過重労働だったかを思い知らされる。
あの会社を信じている人間ほど、人生が狂う。
鬱とパニック障害だけでとどまった私なんてまだましだ。
あの二人は完全に人生を削り取られた。
ひとの人生を削り取って得た収入で味わうシャンパンは美味しいですか?
ひとの人生を削り取って得た収入で仕立てたスーツは着心地がよいですか?
ひとの人生を削り取って得た収入で身につけているその高級時計は今日も人目を引いていますか?
ひとの人生を削り取って得た収入で行ったご家族でのゆったりとした沖縄豪華旅行は楽しかったですか?
こんなことばかりが頭をよぎります。
あの会社の社長秘書というポジションは、社長のプライベートにもどっぷりと足を踏み入れざるを得なかったので、どうしても。
感情は「怒り」です。
本当の怒りが、今頃になってふつふつと沸いてきました。
心は苦しいですが、これは心があそこから解放されている何よりの証拠。
退職前、1ヶ月の休職があけて感じた感覚と似ています。
それまでは、社長や周囲に迷惑をかけてしまっているという罪悪感や、復帰してもなかなか体調が戻らない焦燥感など、いろいろな負の感情が、自分に刃を向けてグサグサと突き刺さる毎日でした。
でもある日、それが突如怒りに変わったのです。
すると少し心が軽くなりました。
しかしまたしばらくすると、怒りの感情を持ってしまったことへの罪悪感も沸いてきました。
辛い日々を、社長をはじめ経営陣や会社の体制のせいにして、自分の能力の向上から目を背けているのではないか、と。
その繰り返しでした。
今、あの会社を離れて、なるべくストレスのない日々を送っている中で聞こえてくる、元同僚の惨状。
月200時間をゆうに超えてもなお追いつかない量の業務を、労働に見合わない報酬で役職の名の下に全責任とともに押し付けられ、経営陣の感情論や思いつきでゆさぶられ、それに加え、ご機嫌次第で人格やこれまでの人生さえも全否定される恐怖に縛り付けられ。
結果、難病を患い苦しい日々を送っている元同僚たちを見ると、徐々に会社の管理体制と経営陣の人格の異常さに気づいてきます。
労働に見合わない報酬とは。
だいたい私たち役職者はこのような日々で月の手取りが25万円程度。
もちろんすべてサービス残業。
出勤簿はいまどき手書き。
総務から7時間勤務になるよう記載すべしと支持されている。
総務責任者は経営陣のひとりと不倫の仲にあったため、皆反論できず従うしかない。
職務給、業績給、役職手当、交通費等もろもろ含め、手取りたったの25万円程度で月200時間オーバーの残業。
過労を立証する裁判の過去のニュースなどを見ていると、
だいたい残業80〜100時間前後が続くと自殺するケースが多く、
200時間を超えると事故で死亡するケースが多い気がします。
振り返ってみると私もそうでした。
常に自殺念慮は離れませんでしたが、怪我も絶えませんでした。
階段から落ちることなんて何度もありました。
平坦な道を歩いていても何度も足をくじいたり、転倒し膝を擦りむいていました。
ふっと意識が飛んだり、猛烈なめまいに襲われたり、足の力が急に抜けたり、という症状が多発していました。
おかしいな?
最近生傷が絶えないな。。。
感覚も異常になっているので、当事者意識がまるでありませんでした。
今でも足の力が急に抜けて転びそうになったり、聴覚過敏が出てきたり、文字が書けなかったり、本が読めなかったり、と、症状は残っていますが、心は「怒り」のパワーが湧いてきました。
少しずつ、少しずつ、回復している実感があります。
あの二人も、今は焦らずゆっくり療養してほしいな。
退職するもしないも、それからでいいと思う。
明日は派遣会社に面接。
そろそろ寝なくちゃ。