目的意識と「意地」
「お父さん達なんて昔は寝ないで仕事をしたもんだ」
「私たちがペーペーの頃は寝ないで仕事したよ、だって独立資金貯めなきゃなんないからね」
成功者たちからよく聞いた、この「寝ないで仕事をする」。
私ががむしゃらに仕事に邁進してきたのは、この成功者たちの経験談をまともに受け取っていたことにも起因する。
今日、父に病院の送迎をお願いした。(ごめんよ、父)
その時に聞いてみたんです。
「ねーお父さん、よくさ寝ないで仕事したって言ってたけど、私は寝ないで仕事したらこんな体になっちゃったけど、お父さんは病気にならなかったの?」
「男女差もあるだろうけど、昼寝もしてたからな」
昼寝してたんかい!!!
調子の良い父。
私が子供の頃の我が家は、自宅兼会社でした。
そういえば、よく父が昼寝していたのを思い出しました。
父が昼寝に帰ってくるの、楽しみだったなあ。
いや、今はそんなことはどうだっていい。
「寝ないで仕事してた」=「成功者」を盲信していた私は、ちょっとショックでしたよ。昼寝してたって、それ睡眠時間に含めろよって話で。
でも父が言っていたのは「お前らみたいな現代っ子はやっぱり体が弱いよな」
ってことでした。
それはあるかもしれない。
父が子供の頃は戦後間もない、極貧時代。
野生のウサギをとり、野生のウナギをとり、ザリガニだってカエルだって食べてたそんな時代ですから。体にみなぎる精神力が違いますよね。
そう、体にみなぎる精神力。
それが免疫力などにも繋がるんだと思うんです。
年代は違うけど、ただいま40代の成功者のお姉さまたちも、昼は本業、夜は副業の水商売でなんとか独立資金を貯めてたっていうんだから。
現代っ子もそういう子はいるのかもしれない。
200時間残業を続けてきた私と、その人たちとで何が違うのかといったら、やっぱり、体にみなぎる精神力の圧倒的な差だと思うんです。
目的意識の強さ。
私にもそれなりに目的や目標があったけど、でもやっぱり独立やトップを目指す人と、何かが起こると目的も目標も見失い、目先のその何かをなんとか乗り切る術を血眼になって探すことにパワーを注入してしまう私とでは、パワーの使い所が違ったってことなんだなとつくづく思います。
私のこの会社での努力だと思っていたものは、くだらない「意地」でしかなかったんだ。
くだらない「意地」のために自ら体を壊し、自爆した。
バカもここまでくると、本当に生きる意味を見失います。
くだらない「意地」のために。
なにやってきたんだろう。
くだらない「意地」のために。